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2019年5月アーカイブ

 3月の復帰宣言から早3ヶ月が経とうとしています。待望の『デビュ-45周年記念アルバム』がリリースされました。私にとっては一年休業の後のリリースであり、復帰に向けたアルバムであり、何より記念すべき『45周年 記念アルバム』。折しも世の中は平成から令和へと新たな時代を迎え、私の再出発の年と重なりました。

昨年秋からアルバム制作の打ち合わせには入っていました。レコード会社のスタッフも若手スタッフに引き継がれ、すべて新たな一歩からのスタートです。アルバムの企画は全員一致で『Terra 3 』にしようとすんなり決まりました。時代の変わり目であり、私の再出発ということもあり、コンセプトは「時代を越えての名曲」「次の世代に残して行きたい曲」でまとめようと言うことに。曲目は私主体で昭和~平成で気になる曲、歌ってみたい曲でまとめることになりました。

制作自体は今年2月から3月にかけて行われました。一年休業した後のアルバム制作ですから不安がないわけがない。ほぼ一年ぶりに歌うわけですから私自身はもちろんのこと、スタッフにしたって一体どこまで、どう歌えるのか、どんな声になってるのか見当もつかなかったと思います。何しろ歌ってみなければ声帯の状態も声の状況もつかめません。おまけに体力的なことがあります。一体何曲歌えるか。フルアルバムが行けるのか、ミニアルバムになるのか・・と。数ヶ月前から発声練習みたいなことはやっていたけど練習と本番はやっぱり違う。人前で歌うというのは全然違うことなのです。

また、カバーアルバムなのでオリジナルが良くていい曲でも歌ってみたら意外に合う曲、合わない曲が出てきます。まずは歌ってみないと始まりません。以前と同様、カラオケボックスに全員集合。歌コンさながらスタッフの前で歌って、聴いてもらっての判断です。もちろん私自身も歌い、聴きながら自分自身で裁定しますけど。

ほぼ曲が決まったところでここからアレンジメントに入ります。どんな色合いで仕上げていくか・・ここからがまた大仕事です。今回は初顔合わせとなる若き優秀なアレンジャー、園田涼さんにお任せしてはどうかと推す声に従い、アルバム丸ごと彼に託すことにしました。ジャンルを問わず幅広いアレンジメント、なおかつピアニストとしても素晴らしいとの評判です。大いに期待できます。何と!年齢は32歳と私の半分以下です!

若き優秀なスタッフに囲まれてのスタジオワークが始まりました。園田さんの仕切りで来てくれたミュージシャン達も全員若手。20代から40代。それがみんな"うまい!"。何というか・・大人なのね。素晴らしいプレイを披露してくれました。その上みんな性格がいい。おかげで気持ちのいい人達に囲まれて楽しいレコーディングの日々を送ることができました。正直『当たって砕けろ!」みたいなそんな心境で臨んだ私でしたが、いつしかスタジオに行くのが楽しみになっていました。

園田さんのピアノワークは品がいい、そして音色がきれい。人柄もそのように終始穏やかで、物腰が柔らかく優しい。アレンジは噂通り、引き出しの多さに脱帽。驚きがいっぱいありました。その上、ディレクションも無駄なく、早い!忍耐強い。何しろみんな若いから体力もあるけど勢いもあり、最後のもう一踏ん張りがきく。今回はそんな若手の才能とエネルギーに支えられてのスタジオワーク。全行程がほぼ予定通り進んだことがなにより奇跡と言えるでしょう。

アルバム・ジャケットに関してもコンセプトからイメージ、衣装、メイク、カメラマンに至るまですべてお膳立てしてもらい、全てが無駄なく進みました。今回は全精力をスタジオワークに集中できたことが私にとっては何より良かった。頼もしいスタッフ達に心から感謝です。

おっかなびっくり始まったアルバム制作でしたが私自身も徐々に調子を取り戻し、歌うことへの愛着 や歌うことが本当に好きだとあらためて思えたレコーディングとなりました。おかげさまですばらしいアルバムができ、自慢の一枚となるでしょう。関わってくださった全ての皆様に、この場を借りて心から感謝申し上げます。ありがとうございました。本当にいい経験でした。楽しかった!!!