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2017年12月アーカイブ

 

 2017年も残りわずかとなりました。今年は暮れも正月もどこかピンとこない感じです。単に時間の経つのが早すぎるとか、そういうことじゃないの。思い当たるといえば・・・遅めの夏休みをとって3週間ほど日本を空けたこと。急に決めたから、帰ってからの忙しさにあっという間に月日が経ってしまったこと。そこで一気に、ひと月あまりが抜け落ちてしまった・・・そんな感じかな?、きっと。12月に入ってるというのに気分は11月の感覚だったもの。そのまま今日まで来てしまったから、今年は暮れも正月もどこかピンとこない感じなのです。


さて、久々にそんな今年を振り返ってみたいと思います。

今年の印象は・・・というと、新たな出会いがいっぱいあった年でした。それによって初体験も。デビュ-43年にして初めての「現場」というのが結構ありました。これまでの私なら予想できないから不安だし、きっとジタバタ、アタフタしてたに違いありません。いや、その前に避けていたかもしれません。それなのに今年の私はなんだかわかんないけど、「ま、何とかなるさ。やってみよう。とにかく楽しくやろう!」って乗り切った。不思議なもので、そう思うと落ち着いて行けたのね。うまく開き直れたってことでしょうか。ここへ来てやっと『わかった』!?そんな感じかな・・・?


 まず、最初の出会いは『竜馬四重奏』という若手グループのバイオリニストの竜馬くんでした。実は3月に九州ライブハウス・ツアーを久々にやることになったのです。熊本地震以来、実に4年ぶりです。そのツアーにバイオリンの竜馬くん、ピアノの中ちゃん、ギターのゆたかの若手トリオで行こうということに。このツアーといえばいつも大山泰輝さんとのピアノ・デュオでしたから、この形態も初チャレンジです。というより、初顔合わせの30代の若者たちと演奏するというのは果たしてどんなだろう???一回きりのリハーサルでしたが、若者たちは3人とも実に真面目で腕も良くて、感もいい。おまけに性格もいい。案ずるよりもなんとやら・・好青年たちの素晴らしい演奏に支えられ、難なく3日間のライブをやってのけたのです。ツアー前の小さな不安はどこ吹く風。日ごとにしっくりと「音」がまとまっていくのを感じながら、実に気持ちよく歌わせてもらいました。演ってみてホントに良かった。惜しみつつ3人とは熊本で別れ、私はそのまま次の現場である博多へ。


 博多に移動したその日、たまたま演っていた『シルク・ド・ソレイユ』を見に行くことになりました。私にとってはもちろん初めての体験。3日間のツアーの疲れで多少ぼーっとはしていたけど、行って良かった。人間の肉体による極限の技を見せつけられた、それは予想を超えた衝撃でした。そして言葉にできないくらい感動もしました。本当に素晴らしかった!人間の未知なる可能性を感じられた、充実の移動日となったわけです。初めてづくしのいいツアーでした!



 さて4月に入ってのある日、昨年のみやこ町のイベントに参加させてもらった縁で、ウエちゃんから「飛び入り参加」の誘いがきました。その時のグループ、『axis mundi』が渋谷のライブハウスに出るというの。その際「飛び入り」にこないかというお誘い。もちろん二つ返事で受けましたよ。だってあの、山下洋輔さんとまたご一緒できるというんですもの!この日も山下さんに食らいついていく勢いで臨みましたよ。いい意味で、その時の気分でどう来るかわかりませんから。こういうのを醍醐味っていうのかな?おかげさまで、久々の楽しい飛び入り経験でした。


 出会いがあれば別れがある。あの、かまやつひろしさんが亡くなり、後日お別れの会に行きました。実に多くの方々がいらしてました。お人柄がよく出ていて、音楽業界からファッション業界など、幅広い業界の方々が大勢お見えでした。そこで懐かしい方々とも再会し、かまやつさんを惜しみながらひとときスパイダースの演奏を楽しませていただきました。私のデビュー時のディレクターである本城さんもお見えでした。彼はスパイダースはもとより、解散後の井上順さんや堺正章さん、森山良子さんや故尾崎紀世彦さんのディレクターでもあった、業界きっての著名ディレクター(今で言う、プロデューサーでしょうか)です。私は確か2年ぶりの再会でした。


 その翌日には私は珍しい仕事で札幌ドームに向かいました。ゴールデンウィークのイベントの一つで、デイゲームの前に2曲披露という仕事です。あまりにも急なオファーでしたが、夕張支援ということだったので。もちろん日本ハムファイターズの応援が本命です。その日、初めてイヤーモニターを体験したのもいい経験でした。足元にはモニター用のスピーカーが置いてあるのですが、さすがにドームともなると音がかき消されてしまうようです。で、二段構えで足元のスピーカーとイヤーモニター併用で歌いました。過去に『君が代』を歌った際はアカペラなのでスピーカーはなかったと思うのですが、カラオケで歌うとなるとやはり二段構えが妥当だそうです。


 さて、今年はクラブサーキットが6月からスタートいうので、何だか夏が早く来そう。そろそろリハーサルや準備の時期に入りました。名古屋~東京~大阪の順で『クラブサーキット 2017』はスタートし、あっという間に終了。今年もいい盛り上がりで完走できたのではないかと自負しています。チーム大橋の熱い夏が早くも終わってしまいました。今年は恒例の小淵沢での打ち上げライブもなかったので本当に夏が短かった気がします・・・。

 

 クラブサーキットが終わった7月の半ばから8月にかけては夏のディナーショー系の仕事があったり、先の仕事の打ち合わせなどがあったり。岩崎宏美さんの生ラジオでのゲスト出演があったり。これも一風変わった番組でしたっけ。生でトークして、生でライブもやっちゃうという番組。途中から国府宏子さんが乱入してきてライブに移るという段取りでした。岩崎さんはよ~く存じ上げてはいましたが、あれほどべらんめえ姐御だったとは!いや~面白かった!最後の方は3人が3人とも男前なトークをブチかましました~~!

 かと思うと『大人の恋をしましょう』でさんざ話に登る『ラジオ深夜便』にトークゲストで出演しました。こちらも生出演です。11時半くらいから12時半の約一時間を森田美由紀さんというアンカーとトーク。こちらは深夜でもあり、ぐっと変わって大人な雰囲気の大橋だったはず?です。


 で、一段落したところで急遽思い立ってニューヨーク行きを決めました。遅めの夏休みと称して、9月末まで日本をあけてました。4年ぶりでしたが相変わらず騒がしく、決してきれいではなく、人が多い街だった。「人種のルツボ」と称される通り、外国人も目立つの。旅行者が多い日本とはちょっと違う感じです。この殺伐とした街のどこが魅力なのか、行くと必ずまた来たいと思う街。外に出れば緊張感で固まっているのに、それがまた癖になるという。ホントに。今回は大きなコンサートがなかったので、ライブハウスに行きました。まずはイリジウムで『Band  of  other  Brothers 』with  Will lee そうです、ベーシストのウィル・リーとその仲間達ってとこ。なかなかファンキーなサウンドで楽しませてくれました。続いて私の大好きなデビット・サンボーンのライブはブルーノートで。ちょっと変わった編成で、ピアノトリオ+トロンボーン。サンボーンは相変わらずの音色を聴かせてくれたけど、ちょっと元気がなかったかな?足が弱っているせいか、歳のせいか、覇気がない気がしたの。もちろん私の聞いてた頃はバリバリの時でしたが。30年くらい前だものね。最後は同じくブルーノートで The  CHICK COREA /STEVE GADD 『 BAND  ON TOUR 』初めて生で聴いたチックコリアとスティーブガッドは圧巻でした!素晴らしい!としか言いようがないくらいすごかった。いろいろ言いたいけど長くなるから今はやめます。ニューヨーク最後のライブに最高の演奏が聴けて、ホントに良かった!!!


 


 この後、帰ってからが大変だったの。思ってた以上にスケジュールが切迫してて、時差ぼけだの何だのと言ってる場合ではありません!一気に旅行気分は吹き飛んでしまいました。まずは大阪の歴史ある「アロージャズオーケストラ」というフルバンド編成の歌ゲスト。旅行に立つ前に打ち合わせだけはしてたけど・・・いきなりリハーサルで、翌日本番ときたもんだ!ひゃ~~なんの心の準備もないどころか、行ってみないとわからんもの。大阪には夕方入り、その足でリハーサルへ。ここへきて私、どうも変?一昨日の別のリハーサルでどうも風邪をもらったような・・・嫌な予感。そういえば、スタジオに3人も風邪引きさんがいたっけ・・・。


 で、その日のリハーサルはノドの調子も悪かったけど、時間切れもあって、全曲当たることもできず、翌日の本番に持ち越しました。翌日はアロージャズオーケストラ定期演奏会ということで、大阪サンケイホールでの公演です。風邪の方はなんとか持ち直したような気がします。とにかくやるっきゃない!私の出番は二部。結局アレンジメントしていただいた全7曲を披露することになりました。「とにかく楽しくやろう!」それだけを念じてステージへ。結果はとても楽しく、落ち着いてステージを終えることができたのです。ニューヨークから帰って一発目のライブは成功!ホッとして帰途に着いた私でした。

 その二日後には福島県にある国見町でのライブ。こちらもホールで、おまけにピアノ・デュオです。それも相方は3月の九州ツアーで会ったばかりの竜馬トリオの若手ピアニスト"中ちゃん"です。本名は中原裕章さん。マリンバもお得意のピアニストです。それにしても九州ツアーの時はトリオだったわけで、今回は一対一ですから緊張感がありました。でも、さすがです!中ちゃんはビシッと決めてくれました!90分のライブをきっちりと努めてくれました。私も安心して歌えましたし、いいステージをお届けできたと思っています。この時も不安なく『楽しくやろうね』って中ちゃんに言えました。

 やれやれ・・なんとかここまで来ました。この二日後には今度は上田正樹さんのコンサートのゲストです。3曲+デュエット1曲と、ゲストなので比較的気は楽ですが・・・3連チャンでそれもホールでの公演です。人のコンサートですから気が楽といえど責任もあり、緊張する仕事ではあります。

とどめの3連チャンをなんとか無事にやり終えたい、の一心です。この仕事も大いに勉強になり、得るものもありました。とにかく『楽しくやろう!』ですから。


 やっと、ここまで来た~~~とばかりに、一段落したのもつかの間。二週間後にはテレビ収録というのがあります。『界でございます』という番組。なんと、かまやつさんのお別れの会がご縁で、プロデュサーの方と数年ぶりにお会いしたのがきっかけでした。トークだけではなく、歌う場面があるというのが番組の特徴でしょうか。ギタリストの渡辺香津美さんとも久々にあえてとても嬉しかったし、堺さんとのトークもとても楽しく、歌もリラックスしてすごく楽しめました。そして・・翌日にはまた『ラジオ深夜便』の出演もあります。明日もとにかく楽しくやりましょう!


 11月に入りやっと落ち着きましたが、あまりにも慌ただしく過ぎてきた10月が呆気なくて、なんだか抜け落ちた感があります。『何度も11月なんだぞ!』と言い聞かせていました。しかしここまでなんとか乗り切ってきましたが体の方は正直で、免疫力が落ちると出るヘルペスが出るは、歯茎が腫れるは・・・今度は皮膚科と歯科通いの日々となりました。持病の鼻の崩れがなかっただけ幸運と言えます。この上に耳鼻科まで加わると忙しくてやりきれませんもの。


 今年は阿久悠先生の作詞家50周年ということで、特番やドラマやメモリアルコンサートがありました。私も代表曲の『たそがれマイラブ』で二日間出演させていただきました。このコンサートでまた、お会いできなかった方々との久々の再会があり、それが楽しみでもありました。さすがに幅広いジャンルの作詞をされた先生です。ピンクレディーや他のアイドルたち、演歌の大御所の方々やグループと楽しませていただきました。ギタリストでアーティストのCharとも親しくお話しさせてもらいましたが、考えてみたらそんなに接点はなかった?ただね、活動してた時期や界隈が同じだったのでしょう。たぶん共通の知り合いやミュージシャンのつながりで、親しみがあったのかもしれません。そういえば、ゴスペラーズにもベースの六川さんや前のギターの玉川さんの話でご挨拶ができましたっけ。アンコールの全員で歌った『また会う日まで』は尾崎紀世彦さんがいないのがちょっと悲しかったな・・・。


 そういえば、このちょっと前にアロージャズオーケストラと再度ご一緒させていただいたのも忘れちゃいけないライブです。ちょうど紅葉真っ盛りの京都ということで、駅に降り立った途端、旅行客でごった返しているのには驚きました。しばらくぶりにまた、アローの皆さんとお会いして楽しいステージをやらせていただきました。とても今年会ったばかり?、とは思えないくらい馴染んできてましたよね。


 なんだか12月とは思えない!、と言い続けながら確かに暦では12月に入っております。久々に

松崎さんとのジョイント・ディナーショーです。私にとっては初めての地かもしれません。あのタオルの今治へ行きました。素晴らしい景色となんとも優雅な空気が漂っていました。松崎さんとも久々とはいえ、かつて知ったるなんとやら、です。ディナーショーもトラブルも事故もなく、楽しく終わることができました。前日に行った居酒屋へ二日目も全員で行ったのですが、とても美味しくて大評判。やはり瀬戸内海の海の幸、そして山の幸にも恵まれた豊かな土地だったんですね。また行けるといいな・・・。


 いよいよ今年も押し迫ってきましたが、今年のライブのシメはこれも初共演の姿月あさとさんとのジョイント・ライブ。『HOLY NIGHT~DIVAの饗宴』キリスト品川教会でのクリスマス・ライブです。バックはあの竜馬と仲間たち4人が勤めてくれます。3月のツアー以来の竜馬とユタカ、そして若手のピアニストに初顔合わせのタクトと、パーカッションにリョンちゃんの4人。場所もいいけど、響きのいい教会でのライブはなかなか素敵でした。姿月さんとはステージは初めてだけど、何度もお会いしてるし、事務所も一緒だし、名前も一緒?だしね。来てくださった方々からは楽しいライブだったと言われました。素敵だったとも。私もライブでまさか"じゃんけん"するとは思はなかったですね。もちろん初めてだったけど面白かった。そして楽しかったですよ。そうこうしているうちに今年のライブは全て終了し、思えば悔いが残るような嫌な思いはなかったような・・。ということは滞りなく今年は終われたということでしょうか。清々しい気分で年を越せるというのは本当に幸運です。出会えた皆さんとのご縁を大切に、またライブに来てくださった皆様に心から感謝しつつ、今年を締めくくりたいと思います。一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。


                                   2017年 12月31日